アリストテレスの提灯

140字で書ききれないことの集積場です。。。

移転のお知らせ

こんにちは、うにべるくです。

 

突然ですが、新ブログを開設しました。

かめのこ陣屋 https://kamenokojinnya.fc2.net/

 

ブログデザインなどをいろいろ試してみて、使い勝手がよければあちらに完全移転します。こちらはそれまで残しておくつもりでいます。

双方ともども、よろしくお願いします。

今日のむし 20190516

こんにちは、うにべるくです。

今日の湘南はえらい暑かったですね。農作業したらもうクタクタです。こんなんで調査遠征やっていけるのだろうか・・・。

 

今日は夜の森に行きました。普段僕は昼にばかり行っているので、なかなか新鮮です。

 

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マダラマルハヒロズコガ幼虫

マダラマルハヒロズコガ Gaphara conspersa

神奈川県 藤沢市

 

ヒョウタンみたいな形をした鞘に住んでいる蛾の幼虫です。木屑でこれを作り上げるのだから驚き。近代美術のようなデザインの芸術点も高いです。

 

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アオオサけつ。

アオオサムシ Carabus insulicola

神奈川県 藤沢市

 

湘南では恐らく最もふつうに見られるオサムシです。頭を地面に突っ込んで、何かを捕食中・・・?

邪魔するのも悪いので、今日はこの写真だけ撮ってそっとしておきました。

ケツだけの写真ですが、鞘翅のレリーフがよくわかりますね。なぜこのような凹凸ができたのか・・・。生き物の世界は謎と魅力でいっぱいです。

 

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タケカレハ幼虫

タケカレハ Euthrix albomaculata directa

神奈川県 藤沢市

 

全身が写せておらず、同定に自信ありませんが、ほぼ間違いないでしょう。虫の写真下手くそ選手権かな?

自分の体高と食べた葉っぱの窪みを同じ大きさにしているのが面白いですね。

有毒な毛虫ですが、膝丈ほどの笹?にうじゃうじゃいます。厄介なことこの上ないですね。藪漕ぎはしないほうがよさそうです。

 

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ラクヌギカメムシ

ラクヌギカメムシ Urostylis annulicornis ?

神奈川県 藤沢市

 

同属にクヌギカメムシ Urostylis westwoodi やサジクヌギカメムシ Urostylis striicornis という非常によく似た種がいるそうです。観察した記憶を頼りにヘラクヌギとしましたが、サジクヌギは隠蔽種だそうで写真では断言できません。

虫ナビ(https://mushinavi.com/)さんによると、晩秋には赤くなる個体もいるそうで、日長が関係してるのかなと思ったり。いい研究テーマになりそうです。

 

そしてそして、今日一番驚いた虫がこちら。

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おわかりいただけるだろうか・・・。

落ちていたアライグマの死体の上に、ハエではなくパンダ柄の蛾が大量に群がっていました。

写真では4頭確認できますが(赤丸)、10頭近くいたと思います。

 

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マエモンクロヒロズコガ

マエモンクロヒロズコガ Monopis pavlovskii

神奈川県 藤沢市

 

なんじゃこりゃ。死体に集まる蛾なんて初めて見ました。しかもせわしなく動き回るから全く写真が撮れない。

なんとか撮れた写真をもとに探したところ、頼れる我らが【みんなで作る日本産蛾類図鑑V2】(http://www.jpmoth.org/index.html)さんのページにありました。

 

>【幼虫食餌植物】 動物性:動物の皮、鳥の巣(引用:昭和堂印刷出版事業部:蛾類生態便覧(上)(下)(1983年))

 

動物の皮?????????

鳥の巣?????????????????????

謎生態すぎる・・・。 でもアライグマの皮にいたのだから間違いないでしょう。

羽毛や毛を食べる昆虫って普段接点がないだけで意外といるようですね。きっとまだ見つかっていない新種もいることでしょう・・・。

 

と、新しい知識に胸が躍りながらも、目蓋が重たくなってきましたので、今日はこの辺で・・・。

今日のむし 20190502~11

やっほー!うにべるくだよっ☆

みんなはGW、どこで遊んだかな?ディ○ニー?ユ○バ?それとも富○Qかな?

ぼくは毎日森を徘徊していたよっ☆ 働いてない社会のお荷物は休みを享受してはいけないんだよっ☆ みんなもこうならないよう、馬車馬のように働こうねっ☆

 

というわけで、この1週間ちょいの間に見つけた面白い虫を紹介しつつ、日記的なことをつらつらと。

 

ここ最近はひたすら桑の木を揺らしてます。まぁー無限にチャバネアオカメムシ君が落ちてくる。一振り平均3頭は入ってますね。向こうもいい迷惑だ。

 

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シナノクロフカミキリ

シナノクロフカミキリ Asaperda agapanthina

神奈川県 藤沢市 2019.05.07

(画像はわかりやすくするために調整しています)

 

この時期のクワからはたまーに小さいカミキリが落ちてきます。虫ナビ(https://mushinavi.com/)さんによると、新芽を食べているとのことです。

そのうち恐ろしい数のでかいカミキリが幹から脱出してくるのでしょう。あんなにガリガリ穿孔されてクワは大丈夫なのでしょうか?

 

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ヤマトシロアリ

ヤマトシロアリ Reticulitermes speratus

神奈川県 藤沢市 2019.05.07

 

初めて有翅虫の群飛に遭遇しました。風が吹くたびに十数匹がわーっとスクランブル発進していく様はなかなかに見ごたえがありました。

この日はどこの木をガサっても入ってくるほどだったので、かなりの数が飛び立ったのでしょう。

 

そしてラスト。

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ハラグロオオテントウ

ハラグロオオテントウ Callicaria superba

神奈川県 藤沢市 2019.05.11

 

市内で最大級のテントウムシ。とにかくでかい。

本来は関西以西に棲息する種ですが、分布を東に広げ、県内(小田原)に入ってきたのは2013年頃と考えられています。(佐藤・木崎,2013)

僕は4年前に見ており、同地でその1年前に採集している人が知り合いにいるので、少なくとも2014年には藤沢市に入っていたのでしょう。恐ろしい拡散速度である。

 

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腹黒い。

ハラグロという名は、その性格ではなく、見た目に由来しています。

こうして見ると、腹全体が黒いわけではなく、後脚より尻側の縁は赤なんですね。

 

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クワキジラミ

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ロウの羽衣を纏い、群れる。

ハラグロオオテントウの主食はクワキジラミ Anomoneura mori です。クワの重要害虫であるため、養蚕の盛んな地域にとってはテントウの到来を待ちわびているかもしれませんね。


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ご満悦

試しに、撮影のギャラとして与えてみると、モリモリ食べ始めました。キジラミからしたらたまったもんじゃないですが。。。

移入種の巨大テントウというと、ムネアカオオクロテントウが話題ですね。といっても、ハラグロほどではなく大き目のナミテントウくらいのサイズらしいですね。

じわじわと南下し、つい先日横浜南部での報告も上がってきていたようなので、来年には当地でも見ることができるかもしれません。あまり喜ばしいことではないんですけどねぇ~。。。

 

引用文献

佐藤勝信・木崎庸(2013):ハラグロオオテントウを神奈川県小田原市で採集.月刊むし,509:38-39.